きものを着て出掛けている間だけの作法では、花マルとは言えません。 正しい作法は大切なきものをいつまでも美しく保たせ、貴女をより魅力的にしてくれます。 ちょっとしたしぐさ一つに貴女の美しさは表現されます。



着付編

茶道に作法があるように、着付にも正しい作法があります。 美しい着付をするための一番大切な事は“心”です。 イライラしたり、急いでいる時などは美しい着付はできません。 事前にヘアやメイクの予行練習や着付練習をしておくと、当日に慌てることなく、スムーズに準備ができます。 きものを着る時は、ゆったりと落ち着いた楽しい気分になるように努めましょう。 次に“姿勢”です。。体の力を抜き、重心をまっすぐ下におろした美しい立ち姿でなければ、きものの着丈は決まりません。
 

 ポイント 
 
 
1.手をきれいに洗っておく
2.必要な小物は、全て取りやすい位置に並べておく
3.着付の時間は、ゆとりをもって
4.足袋をはいて・・・さあ、着付のスタートです
 
 





外出編 立ち居振舞いは、いつもよりおしとやかに

 立ち方&座り方 
背筋を伸ばし、あごを引きます。背の力は抜きましょう。両手は前で軽く揃えます。つま先は「入」の字のように内股にすると美しく見えます。 次に座り方。イスに座る座る時は、イスの左側に立って、左手で袂を持ち上げ、右手で上前をおさえて座るようにするとGOOD! 袂と上前の乱れを防ぐことができます。せっかく結んだ帯がつぶれない様に、 浅めに腰掛けて、背筋を伸ばして両足の膝頭を合わせましょう。


 歩き方 
裾が乱れないように、歩幅は自分の足のサイズくらいにして歩きましょう。 手をブラブラさせるのは、格好いいものではありません! 右手で上前を軽くおさえ、姿勢よく歩きましょう。
階段の上り下りでは、前の裾を踏まないように、また袂を引きずったりしないように、 左右の袂を左手で持ち右手で上前を引き上げて体を斜めにして、上り下りしましょう。


 挨拶の仕方 
     挨拶は心からの気持ちを表すものです。腰から体を60度くらい前にたおして頭を下げると、 自然なお辞儀になります。この時、両手は軽く腿に置きましょう。

 電車の吊り革 
たまに、電車の吊り革に二の腕まで出してつかまっている方を見かけます。 けして、格好いいものではありません。 必ず片手を添えて、袖口をおさえて!また、立っている時に足を開いたり、 休めの姿勢をするのもやめた方がいいでしょう。 いつも膝をピッタリとつけておく事を忘れずに!

悪い例 正しい例  



帰宅後編

楽しいお出かけから帰ってきて、そのまま脱ぎ捨てたりしたら折角のきもの美人も台無し! きちんとお手入れしましょう。

脱いだきもの・帯・長襦袢はすぐにはたたまずに、ハンガーに掛けて陰干しします。 また、汚れやシミが付いてないかもチェックしましょう! 衿・袖口・裾といった汚れやすいところを、上質のベンジンで拭きましょう。 肌着類や足袋は早めにお洗濯を。帯締め・帯揚げもきちんとたたみましょう。 帯締めの房の部分は、紙を巻いておくとバサバサになりません。 勿論、ゾウリの汚れを落としてからにしましょう。 陰干しが終わると柔らかいタオル等でホコリを払い、たたんで畳紙に入れて収納します。 箔や刺繍の部分には、うす紙をあてておくと痛みません。乾燥剤も忘れずに!